論点:支出した者と一時所得を得た者は一致する必要があるか?重判H24(最二小判平成24・1・13)
 一時所得に係る支出が所得税法34条2項にいう「その収入を得るために支出した金額」に該当するためには,それが当該収入を得た個人において自ら負担して支出したものといえる場合でなければならないと解するのが相当である。
∵所得税法は,23条ないし35条において,所得をその源泉ないし性質によって10種類に分類し,それぞれについて所得金額の計算方法を定めているところ,これらの計算方法は,個人の収入のうちその者の担税力を増加させる利得に当たる部分を所得とする趣旨に出たものと解される。一時所得についてその所得金額の計算方法を定めた同法34条2項もまた,一時所得に係る収入を得た個人の担税力に応じた課税を図る趣旨のものであり,同項が「その収入を得るために支出した金額」を一時所得の金額の計算上控除するとしたのは,一時所得に係る収入のうちこのような支出額に相当する部分が上記個人の担税力を増加させるものではないことを考慮したものと解されるから,ここにいう「支出した金額」とは,一時所得に係る収入を得た個人が自ら負担して支出したものといえる金額をいうと解するのが上記の趣旨にかなうものである。また,同項の「その収入を得るために支出した金額」という文言も,収入を得る主体と支出をする主体が同一であることを前提としたものというべきである。
☆要点☆
文言→収入得る主体と支出する主体が一致することを前提
個人単位主義


以下、簡単に問題点を指摘する。
養老保険金の保険料を法人と個人で支払っていたが、養老保険金の支払いを個人が受け取った時に個人だけでなく法人(第三者)が支払った保険料も支出した金額に含まれるか問題になる。

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