保証債務を履行するために行う資産の譲渡(所64条2項)の論証②
2013年7月23日 《論証》租税法64条2項について、個々の要件の解釈をまとめてみました。
①「納税者が債権者に対して債務者の債務を保証したこと」の解釈
単なる保証人のみならず物上保証人を含む。
☆要注意☆:物上保証人の場合の類推適用
物上保証人の場合は類推適用をする。∵単なる保証人と質的に異なるところはない。
②「保証債務を履行するために行う資産の譲渡」☆要注意☆
要注意1:代位弁済(代価弁済)の場合
第三取得者が被担保債権に代位弁済した場合は、この規定の適用はない。
要注意2:担保権実効
担保権実行は「資産の譲渡」にあたる。
③「資産の譲渡」の解釈
保証人の保証債務を履行するために行う資産の譲渡も、ここにいう資産の譲渡に含まれる。
④「求償権の全部又は一部が行使することができなくなったとき」の判断基準
主たる債務者の倒産・破産などの場合のではなく求償権の行使の見込みのないことが確実になった場合をも含み広く解すべきである(金子15版p221)
∵趣旨
☆要注意☆:求償権が混同によって消滅した場合
保証人が主債務者の地位を承継した場合は、混同により求償権は消滅し(民法520条)、求償権が行使できない場合に該当せず、特例の適用否定。
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