〇 違法な支出の必要経費性(H21)
必要経費に該当するためには、それが事業活動と直接の関連をもち、事業の遂行上必要な費用でなければならないものと解される(所37条1項)。
∵ここには、「通常必要」といった要件は課されていない。
また、法は賄賂(刑法198条)等については必要経費に算入しない旨を明記しているが(所45条2項)、租税法律主義の観点から明文なく課税対象を広げることはできない。つまり、所45条2項に列挙されていない違法な支出は必要経費に該当するものと解される(限定解釈)。
 そうすれば、必要経費算入されるべき要件は事業の遂行上必要な経費であればよい、つまり違法な支出であっても明文の除外規定なき限り必要経費に該当する。
もっとも、債務確定主義の見地から、私法上無効な支出の場合には債務の確定(所37条1項括弧書き)がないため必要経費に不算入になる。
☆補足☆:法人税法上での債務の確定
同様の議論が法人税法上もある。損金に関わる規定である法22条3項から債務確定を要するとする法22条2号括弧書き。

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